この記事には虫の画像は一切含まれませんが、虫の話しかしていません。苦手な方はご注意ください。

スーパーで半額になってたしなしなのミントを挿し木で育てはじめたのが2021年。
思いのほか楽しいし実用性もあるので去年も挿し木で色々育てましたが、今年は挿し木では増やしにくかったり増やせなかったりする子たちを苗で購入してみました。

2023年3月12日

ローズマリーとタイム、チャービルとコリアンダーとディル、あとアップルミントです。
植え付けたのが確か3月5日だったので、上の写真はちょうど一週間経った頃のものですね。

2023/03/26

どの子も今のところ順調に育ってくれています。
しかしある日、早朝に葉の様子を見てたらチャービルとコリアンダーとディルにアブラムシが発生していました。
アブラムシを見ると「春だな~~~」と思うんですが、久しぶりに見たせいか密集してるとちょっとゾワッてしますね😂
それぞれにそこそこの数のアブラムシがいましたが、特に多かったのがチャービル。葉が柔らかいし美味しいですもんね、私がアブラムシでもチャービルを選ぶと思います。
なお上の写真はあらかた駆除しおわった後に撮ったものなのでご安心ください。

アブラムシには去年さんざん悩まされまして、スペアミントにめちゃくちゃ発生したんですよね。
その時隣のプランターではアブラムシが好むとされるバジルが若葉を茂らせていたのですが、アブラムシたちはバジルには目もくれずにスペアミントに棲みついていたのでネットの情報との相違が面白かったです。
駆除は薄めた酢をスプレーするのを試したのですが、すっかり住み着いてしまったアブラムシには効果がありませんでした。最終的には手でそぎ落として潰してしまう方法で落ち着いて、ミントがよく育った盛夏の頃には完全にいなくなりました。

スプレーといえば牛乳スプレーもよく紹介されている方法で、こちらは牛乳が乾燥する際の収縮にアブラムシを巻き込んで窒息死させるというものなので、忌避剤的な酢プレーよりは効くような気もします。が、最終的によく洗い流すとはいえ、乳アレルギーとしては農薬使うよりよっぽど怖いので試せません。

今回はとりあえずゴム手袋をしてぷちぷち地道に潰しました。群集しているところは指でそぎ落として、葉の裏や新芽付近のとりにくいところは竹串を使って一匹一匹取り除きます。
まだ若いチャービルは葉も茎も柔らかいため、傷つけないように先をちょっと丸めた竹串を水で濡らして、アブラムシを先端ですくうようにすると上手く取れます。で、指でぷちっとします。一通り終わるころには、青いゴム手袋の指先が鮮やかな緑に染まります。一寸の虫にも五分のなんちゃら的な言葉が脳裏をよぎり、罪を重ねてしまったなぁ…と思う瞬間です。

2023/03/26

葉が増えて風通しが悪くなったことがアブラムシが急増した原因かもしれないので、外葉を切り取ってすっきりさせました。バランスが若干アレな気がしますが、ヨシ!
すっきりしたことで人間的にもアブラムシが見つけやすくなります。ヨシ!!
コリアンダーとディルについたアブラムシも同様に駆除して、しばらくは注意しておくことにします。

去年は駆除に精一杯で手が回りませんでしたが、アブラムシの生態を調べてみたらすごく特殊で面白かったです。
世界では約5000種、日本で見つかっているだけでも700種以上いるらしいアブラムシですが、私が調べた中では今回発生したのは「ワタアブラムシ」が一番近そうでした。ディルとコリアンダーにはワタっぽいものをまとった黒い個体が見受けられたからです。この黒っぽくて白いふわふわのアブラムシは兵隊アブラムシといって、繁殖が出来ない攻撃専門のアブラムシなんだとか。この兵隊アブラムシを作るのはワタアブラムシ亜科など一部のアブラムシだけなので、兵隊がいたってことはワタアブラムシなのかな❓と思った次第です。
チャービルを不法占拠していたアブラムシは葉の裏にいることが多くて緑色なので「ユキヤナギアブラムシ」っぽい感じもします。こっちには黒い個体は全然いなかったので、もしかしたらそれぞれの宿主で違うアブラムシによるコロニーが形成されてるのかもしれませんね。

そもそもアブラムシがどうやって繁殖するのか気になったのでさらに調べたところ、まずアブラムシは季節によって大きく5つの種類に分かれるようです。
春先のこの時期は越冬した卵から孵化した個体は「幹母」と呼ばれ、卵胎生の単為生殖(自身のクローンを産む)で繁殖します。
この幹母から生まれた幼虫が「胎生メス」。彼女たちは10日ほどで成虫となり、幹母と同じように単為生殖で数を増やします。1日で5匹程度の子供を産むそうなので、かなりの繁殖力です。
面白いのがこの単為生殖の際、母親の胎内にいる子供もまた自分の胎内に子供を宿しています。お母さんアブラムシの胎内にいるお子さんアブラムシの胎内にはお孫さんアブラムシが………マトリョーシカかな❓🤔
このように究極に効率化された圧倒的繁殖力で、アブラムシは同一個体の女の園をあっという間に作り上げるわけですね。
そして個体数密度や宿主である植物の状態、季節などの条件により胎生メスの中から羽を持つ有翅虫個体が出てきて飛散、別の植物に移住します。移住が出来たら単為生殖を繰り返し、二次寄主植物の上にもコロニーを作ります。
晩秋になると胎生メスの中に羽を持つ「産性虫」が出現します。産性虫は「オス」「卵生メス」を産むことが可能で、一次寄主植物に戻って(戻らないことも、全く無関係な場所に向かうこともある)幼虫を産みます。生まれた彼ら彼女らは成虫になると交尾による卵生有性生殖を行い、卵を作ります。暖かい地域では成虫が越冬することもあるそうですが、寒い地域ではこの卵が越冬し、春になったら孵化して冒頭の幹母が生まれます。

つまり今回発生したのは胎生メスさんたちなので、地道な駆除で確実に個体数は減らせるってことですね。土の中に卵を産んで増えたりするタイプだったら、どれだけ成虫を駆除しようが卵の処理が間に合わないのでは❓と考えていたので、胎生でまだ良かったです。
それにしても調べれば調べるほど面白いですね、アブラムシ!
虫は別に好きってわけではありませんが、夢中で調べてしまいました。今度図書館で本を探してみようかな。

尚、ネット上の色々な資料を元に自分なりにかいつまんだのが上記の内容なので、学術的に正確な記述かどうかは保証いたしかねます!
読み漁った資料はこの下にリンクを張っておきます。もれなく虫画像が満載なので、苦手な方はご注意ください。

コメントを残す